ロッキー藤井の繁盛店の秘密 ③

「安く、お腹いっぱい」が、
お客様を太らせている?

何度倒れても、また立ち上がる。ロッキー藤井です。

経営者の皆さまへ | ロッキー藤井 | 根っ子学®創始者
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何度倒れても、また立ち上がる。
ロッキー藤井です。

昨日、こんな話をしました。
人間には、必要なタンパク質を確保しようとする「タンパク質食欲」があるのではないか。
そして、食事中のタンパク質の割合が低くなると、必要なタンパク質を得るために、結果として食べる量が増える可能性がある。

これが、Protein Leverage Hypothesis(タンパク質レバレッジ仮説)です。

この研究を知ってから、私は飲食店で昔から当たり前のように使われてきた、ある言葉が気になるようになりました。

「安く、お腹いっぱい」
本当に、これでいいのでしょうか。

第1幕 世界では、食べ物が豊かになったのに、肥満が増えている

WHOによれば、2022年には世界の成人の43%が過体重、16%が肥満でした。
さらに、成人の肥満率は1990年から2022年までに2倍以上になっています。これは非常に大きな変化です。

もちろん、「タンパク質が少ないから、世界で肥満が増えた」と単純に言うことはできません。
WHOも、肥満は遺伝、身体の仕組み、食行動、食環境、社会経済環境などが複雑に関係する多因子性の慢性疾患だとしています。

しかし、その複雑な原因の中で、私は昨日紹介したタンパク質レバレッジ仮説に非常に興味を持ちました。
なぜなら、飲食店の商品づくりに直接関係するからです。

第2幕 原価を下げようとすると、何が増えるのか

飲食店では原価を考えます。これは当然です。
肉や魚をたくさん使えば、原価が上がる。

そこで、
ご飯を増やす。
麺を増やす。
パンを増やす。
油やソースを使って満足感を出す。
もちろん、これ自体が悪いわけではありません。

しかし、「安い材料で、お腹いっぱいにする」ことだけを追いかけると、何が起きるのでしょうか。

WHOも、低・中所得国では、脂質、糖分、塩分が多く、エネルギー密度が高い一方で栄養の質が低い食品が、比較的安価であるという問題を指摘しています。

ここにタンパク質レバレッジ仮説を重ねると、非常に興味深い問いが出てきます。

「身体が欲しいタンパク質が十分でなければ、それを得るまで余分なエネルギーまで摂ってしまうのではないか?」

前回紹介した人間での実験では、食事中のタンパク質比率を15%から10%へ下げたところ、総エネルギー摂取量が約12%増えました。つまり、「カロリーは足りている。しかし、身体が求めるものは十分ではない」という状態が起こり得るわけです。これは私にとって大きな発見でした。
第3幕 「満腹」と「満たされる」は違う

飲食店では、
「ボリューム満点!」
「大盛無料!」
「安くてお腹いっぱい!」
という言葉が、お客様への価値として使われます。

しかし、これからは、
胃袋をいっぱいにすること だけではなく、
身体が必要としているものを満たすこと
まで考える必要があるのではないでしょうか。

ここに私は、これからの飲食店の商品開発の大きなヒントがあると思っています。

たとえば、同じ800kcalの料理でも、その800kcalが何でできているのか。
タンパク質は何gなのか。脂質はどれくらいなのか。炭水化物はどれくらいなのか。野菜や食物繊維はどうなのか。
それによって、お客様の身体に提供している価値は違います。
ところが、店側では、原価率30%。売価1,000円。粗利益700円。ここまでは計算しても、「この1,000円で、お客様の身体に何を渡しているのか」までは、なかなか計算しません。私は、ここを変えたいのです。

第4幕 原価率30%の「30%」だけを見ない

原価を下げることは、経営には必要です。
しかし、タンパク質を減らして、安価な炭水化物などでボリュームを増やせば、原価率は改善するかもしれない。
では、それは、お客様にとっても「価値の改善」なのでしょうか?ここを考えてみてほしいのです。

飲食店は、原価を食べさせているのではありません。
お客様の身体をつくるものを提供しています。

そして、私は51年間、製麺機を通して飲食店を見続けてきましたが、これからの繁盛店には、「美味しい」「安い」「量が多い」だけではない、新しい物差しが必要になるのではないかと思っています。

それが、
「この一食を食べたお客様の身体に、何が残るのか?」
です。

第5幕 今日、看板メニューの3つを考えてみてください

今日、自分のお店の看板メニューをもう一度見てください。
原価表を見るのではありません。料理そのものを見てください。

そして、
① タンパク質は何gか。
② どんな栄養を提供しているか。
③ お客様は食後、本当に満たされているのか。
この3つを考えてみてください。

もしかすると、「安く、お腹いっぱい」から、「食べた人の身体まで満たす店」へ。
ここに、これからの繁盛店の新しい可能性があるのかもしれません。

第6幕 次回予告:高齢者とタンパク質

そして、この問題は若い人だけの話ではありません。
むしろ、私自身のような高齢者になると、さらに重要になってきます。

食べる量は若い頃より減っていく。
ところが、身体を維持するための栄養は重要になる。
この一見矛盾する問題を、次回は掘ります。

次回:
「高齢になるほど食べる量は減る。それでも、なぜタンパク質が重要なのか?」
78歳の私自身が毎日の食事で実践していることも含めて、お話しします。

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何度倒れても、また立ち上がる。 ロッキー藤井
経営歴51年・根っ子学創始者
発行人 ロッキー藤井(藤井 薫)

「飲食店は原価を食べさせているのではありません。お客様の身体をつくるものを提供しています。」

株式会社大和製作所 創業者・根っ子学®創始者。約50年間の経営、家族、失敗、事業承継の経験から、人や会社を内側から動かす「見えない根っ子」を言葉と構造で見えるようにし、自然な成長につなげる研究と実践に取り組んでいます。

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