社員全員に反対された
年中無休365日メンテナンス
何度倒れても、また立ち上がる。ロッキー藤井です。
私の人生は、本当に数え切れないほどの失敗と、そこからの学びの連続です。
今回は、製麺機メーカーの社長時代にやらかした、組織づくりにおける大きな失敗をお話しします。
結論から言うと、「お客さまには喜ばれました。でも、社員には全然喜ばれませんでした(笑)」
顧客への使命感が生んだ猛反発
私たちの製麺機をお使いいただくラーメン店やうどん店などのお客さまは、土日や祝日が一番の書き入れ時です。
もし休日のピーク時に機械が止まってしまったら、お店は営業できず、死活問題になってしまいます。
だからこそ私は、ある時こう決断しました。
お客さまの立場になれば、これほど安心なことはありません。
これはメーカーとしての絶対的な「正しさ」であり、顧客への使命だと信じて疑いませんでした。
ところが、いざ社内で発表すると……社員全員から大反対されました。
当然ですよね。
社員からすれば「自分たちの休みはどうなるんだ」「家族との時間がなくなる」「そんな過酷な働き方はできない」という悲鳴です。
「顧客への使命」と「社員への関わり方」は別問題
当時の私は、「お客さまのため」という大義名分(正しいこと)があれば、社員も当然わかってついてきてくれるはずだと思い込んでいました。
顧客への使命感という「自分の正しさ」を、そのまま社員の生活や感情の上に力ずくで押し付けてしまったのです。
しかし、最終的にこの365日メンテナンスを支えてくれたのは、私の「正しさ」ではなく、他ならぬ社員たちの献身と「互いを思いやる心」でした。
現在、本社では日曜日でも常にメンテナンス当番が2名待機する体制になっています。初期の頃、メンテナンスのリーダーがよくこんなことを言っていました。
この言葉を聞いた時、私は胸が締め付けられる思いがしました。
私がシステムとして押し付けようとしたものは、結局のところ、現場で働く社員たちの自己犠牲と、仲間を助けようとする思いやりに支えられて成り立っていたのです。
「顧客への使命感」という社長の正しさを通す裏で、社員たちは大切な家族との時間を削ってくれていた。
ここで私が学んだ大きな失敗は、「顧客への使命」と「社員への関わり方」を完全に混同してしまっていたことです。
あなたの日常にも潜む「正しいこと」の落とし穴
どんなに目標が正しくても、それを実行する人たちの感情や生活の背景、つまり「根っ子」に寄り添うことを忘れてしまえば、誰も幸せにはなれません。
これ、会社経営だけの話ではありませんよね。日常生活の中でも、同じような構図はよく起こります。
必死に働くあまり、パートナーや子どもの寂しい気持ちや「家庭のだんらん」を置き去りにしてしまう。
「こうするのが正しい」と自分の正義感から周囲や兄弟に無理を強いて、関係がギクシャクしてしまう。
目標の正しさだけで人を動かそうとし、現場の生活や心という「根っ子」の余白を削ってしまう。
正しい目標や使命であっても、一緒に歩む人の「根っ子」に寄り添い、思いを共有する手順を飛ばしてしまえば、枝葉を無理やり引っ張り上げるのと同じです。
相手には相手の人生があり、守りたいものがあります。
そこに思いを馳せ、どうすればお互いにとって良い循環が生まれるのか。
その対話のプロセスこそが、本当に強い組織や家族の絆を作っていくのだと、私はこの失敗から学びました。
🌱 【今日の根っ子の問い】
あなたには、誰かのためを思う「正しいこと」だからと、周囲の人の「大切なもの(時間や気持ち)」を置き去りにして強引に進めてしまった経験はありませんか?
もし今、問題の渦中にいるのだとしたら、少しだけ立ち止まって、身近な人の「根っ子」を見てみてくださいね。
ぜひコメント欄で、あなたの気づきや経験を教えてください。
株式会社大和製作所 創業者・根っ子学®創始者。50年以上にわたりゼロから製造業を築き上げる中で直面した数々の失敗や人間関係の葛藤を昇華させ、人生と事業を動かす「見えない根っ子」の探求と体系化に注力している。
