製麺機を売りに行って、
喧嘩を売って帰った(笑)
何度倒れても、また立ち上がる。ロッキー藤井です。
私は長年、製麺機メーカーの社長をしてきました。でも、ときどき機械ではなく「喧嘩」を売っていました(笑)。
今回は、そんな私の若かりし頃のお恥ずかしい失敗と、そこから学んだ「根っ子」のお話をします。
沖縄での商談と、火がついた癇癪玉
あれは、営業で沖縄を訪れていた時のことです。現地で急に新たな商談が舞い込みました。
指定された場所に向かうと、そこには私より少し年上の、いかにも「生粋の商売人」といった雰囲気の男性が待っていました。挨拶と名刺交換を早々に済ませ、さっそく製麺機の話に入りました。
お客様は、私たちのライバルメーカーと当社を天秤にかけ、ライバルの良いところをかなり熱心に研究されていました。一方の私は、自分が命懸けで作り上げた当社の製麺機に「絶対的な自信」を持っていました。
そして、商談は「値引き」の話へと移りました。
私が「当社は一切値引きをしておりません」とお伝えすると、お客様は驚かれた様子でした。それでも相手は商売人です。しつこく値引きの要求が続きました。そこで、私の中の「正しさへの確信」と「癇癪玉」に火がついてしまったのです。
言い放ってしまった結果…… お客様は本当にライバルメーカーへ行き、そちらの機械を買ってしまいました(笑)。
機械を売りに行ったはずが、喧嘩を売って帰ってきた。商売人としては完全な失格です。私の人生は、本当にこうした数多くの失敗と学びの連続なのです。
自分の「正しさ」は、時に凶器になる
今になって振り返れば、よく分かります。「もっと違った言い方、伝え方があったはずだ」と。
当時の私には「このやり方でなければ、絶対に美味しい麺はできない」「うちの機械が最高だ」という強い確信がありました。しかし、その熱意のあまり、相手の状況や気持ちを一切考えず、自分の「正しさ」だけを力ずくで押し付けてしまったのです。
「子どものため」と思いながら、親自身の正しさを一方的にぶつけてしまう。
「なぜこんなことも分からないのか」と、自分の尺度で相手を裁いてしまう。
良くなってほしいという愛情が、切迫感から強い言葉となって相手を傷つける。
根底にあるのは「良くなってほしい」「なんとかしてあげたい」という愛情や情熱(根っ子)のはずです。
しかし、その情熱が「怒り」や「押し付け」という間違った形で表に出てしまうと、相手の心は離れ、沖縄のお客様のように別の場所へ行ってしまいます。
相手には相手のペースがあり、相手の理解できるタイミングがあります。
相手の「根っ子」がまだ育っていないのに、枝を無理やり引っ張っても折れるだけなのです。
🌱 【今日の根っ子の問い】
あなたには、自分の「正しさ」を相手にぶつけてしまい、後悔した経験はありませんか?
もし今、あの時の場面に戻れるとしたら、どんな「違った言い方」ができるでしょうか。
問題にぶつかった時こそ、自分の内側にある「正しさの押し付け」に気づくチャンスかもしれません。ぜひコメント欄で、あなたの経験や気づきを教えてくださいね。
株式会社大和製作所 創業者・根っ子学®創始者。50年以上にわたりゼロから製造業を築き上げる中で直面した数々の失敗や人間関係の葛藤を昇華させ、人生と事業を動かす「見えない根っ子」の探求と体系化に注力している。
