ロッキー藤井の失敗劇場⑦
同じように教えたのに、
なぜ成功する人と失敗する人がいるのか?
何度倒れても、また立ち上がる。
皆さん、こんにちは。藤井薫です。
何度倒れても、また立ち上がる。ロッキー藤井です。
前回は、ラーメン学校での失敗から「デジタル・クッキング」が生まれた話を書きました。
最初のころ、私は生徒さんの希望するスープをなかなか作れず、「先生、違います」と言われ続けました。徹夜で作り直し、それでも納得してもらえず、授業料を返したことも何度もありました。
そこで、「人間の勘を、数字にできないだろうか?」と考えました。
見えない「勘」を、
数字で見えるようにする。
屈折計や塩度計を使い、濃度や塩分を測る。材料の重量、温度、時間も数字にする。こうして生まれたのが「デジタル・クッキング」でした。
これによって、生徒さんが作りたい味を、無添加・無化調で再現することもできるようになっていきました。私は大きな壁を一つ突破したと思いました。
ところが――。もっと難しい問題が残っていました。
第1幕|同じように教えたのに、結果が違う
技術も経営知識も同じ。
それでも、店の成否は分かれた。
麺学校では、単に麺やスープの作り方だけを教えていたわけではありません。店を成功させるために、経営についても教えていました。
同じ学校で、同じように技術を学び、同じように経営を学ぶ。
ところが、卒業後は大きな差が出ました。
繁盛店をつくる
学んだことを現場で生かし、店を成長させていきます。
売上が上がらない
思うようにお客さまが来ず、苦しい状況が続きます。
店を閉めてしまう
閉店の連絡を受けるたびに、本当に辛い思いをしました。
生徒さんは夢を持って学校に来ています。時間も、お金も使っています。中には、人生をかけて店を開く人もいる。
技術もしっかりマスターした。経営についても学んだ。それなのに――。
なぜ、結果が違うのか。
第2幕|技術だけでは説明できなかった
店の成否を分けるものは、
知識の外側にあった。
長年、多くの生徒さんを見ているうちに、私は実感として一つのことに気づくようになりました。
店の成否は、技術や経営知識だけでは説明できない。
その人自身のメンタルの状態が、店の経営にも大きく影響しているのではないか。
次の方法を試す人
「よし、次をやってみよう」と動き出します。
受け止め方が違う
一度の失敗を、学びとして扱える人もいます。
大きな差が生まれる
行動の違いが、長い時間の中で結果を分けます。
商売を始めれば、必ず問題が起きます。お客さま、スタッフ、資金、売上。ここに何かがある。
それは麺学校の現場で感じていました。しかし――。何があるのかが分かりませんでした。
第3幕|人間用の屈折計は、どこにある?
人間にも、
測る道具が必要だった。
ラーメンなら、問題を数字で追いかけることができます。
→ 屈折計で測る
→ 塩度計で測る
数字が違えば、どこを直せばいいのか考えられる。私はそれをデジタル・クッキングで実現しました。
ところが、人間はそうはいきません。
逆境に強いのか。
なぜ同じことを学んでも、行動にこれほど差が出るのか。
ホームセンターへ行っても、「人間用屈折計」は売っていません(笑)。
私は、ラーメンの味を数字で追いかける方法は見つけました。しかし、「人間コード」を読み解く方法は見つけられなかった。
第4幕|何十年も後、もう一度この問題に戻った
行動のもっと奥に、
何かがあるのではないか。
その後、私は会社経営、事業承継、家族との関係、そして自分自身の人生を振り返るようになりました。
なぜ私は、同じ場面で怒ってしまうのか。なぜ分かっているのに、同じような反応を繰り返すのか。なぜ同じ出来事でも、人によって受け止め方が違うのか。
行動だけを見ても、答えは分からない。
その行動のもっと奥に、
本人自身も気づいていない何かがある。
私は、それを探り始めました。
そして、その人の信念や思い込み、過去の経験などから形づくられ、現在の反応や行動にも関係している内面の傾向を、「根っ子」と呼ぶようになりました。
第5幕|見えないなら、見えるようにすればいい
デジタル・クッキングと、
根っ子診断はよく似ていた。
私は、ラーメン学校でやったことを思い出しました。
見えないなら、
見えるようにすればいい。
質問を作る。答えてもらう。数値化する。本人の実感と照らし合わせる。違えば修正する。また試す。
デジタル・クッキングを作った時と、発想はよく似ていました。
問いかける
その人の信念や思い込み、過去の経験をたどる。
傾向を見える化する
本人にも見えにくい内面の傾向を、数字で捉える。
実感と比べる
違えば修正し、また試す。研究は今も続いています。
こうして試行錯誤を重ねる中から生まれてきたのが、「根っ子診断」です。
今日の根っ子|人間は、ラーメンスープほど単純ではない
根っ子診断は、
まだ研究の途中です。
もちろん、人間はラーメンスープほど単純ではありません。根っ子診断ですべてが分かる、などとは思っていません。まだまだ検証しなければならないこともあります。
それでも――。
なぜ結果が違うのか?
その問いに、ようやく解明の糸口が見えてきました。
振り返れば、ラーメン学校で失敗する生徒さんを見るたびに、「もっと何かできなかったのか」と悩んだことも、根っ子学につながっていたのだと思います。
私はラーメンの味を解明しようとして、デジタル・クッキングを作りました。その次に待っていたのは、ラーメンより、はるかに難しい「人間」でした。
そして今も、私はその研究の途中にいます。
読者の皆さんへ
あなたにも、
同じことを学んだのに結果が違った経験はありますか。
78歳になって、
まだ宿題をやっています(笑)。
同じ出来事でも、人によって受け止め方や行動が違う。その違いの奥に、あなた自身の「根っ子」があるのかもしれません。
もしこの記事を読んで思い出したことがあれば、このメールに「人間用屈折計が欲しい」と一言返信してください。
格好のいい話でなくて結構です。ちょっと聞かせてください。
「人間用屈折計が欲しい」と送る →発行人
ロッキー藤井
大和製作所創業者・根っ子学®創始者。約50年間の経営、家族、失敗、事業承継の経験から、人や会社を内側から動かす「見えない根っ子」を言葉と構造で見えるようにし、自然な成長につなげる研究と実践に取り組んでいます。
何度倒れても、また立ち上がる。78歳になっても、まだ宿題の途中です。
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