FAMILY BUSINESS & SUCCESSION
80年以上続いた会社を、
誰のために、何のために残すのか。
後継者はいる。社長も交代した。
それでも、事業承継は終わっていませんでした。
昨日、ある経営者とじっくり話をしました。その会社は創業から80年以上。現在の会長は3代目です。
良い時も、苦しい時もあったはずです。それでも会社を守り、社員を守り、お客さまとの信用を守り、今日までつないできました。
「この会社を、次の世代へ残したい」
歴代経営者のその思いが、80年という時間をつくったのだと思います。ところが今、その会社は大きな岐路に立っています。
SUCCESSOR EXISTS, BUT...
息子はいる。社長も継いだ。
それでも悩みは終わらない
家業を離れ、自分の道を探している
一度は会社に入りましたが、「この仕事は自分に向いていないのでは」と離れました。今も、自分が本当にやりたいことを探しています。
会社を守りながら、家庭も大切にしたい
若い社長として責任を果たしています。一方で、会社を大きくすることだけを人生の中心には置いていません。
一般的には「承継できている会社」に見えます。社長は交代し、後継者もいて、会社も続いている。それでも、会長の心には悩みが残っていました。
NO ONE IS WRONG
三人とも正しい。
だから、この問題は難しい。
もう一度、会社を成長させたい
先代から受け取った会社を守り、次へきちんと渡したい。
自分の人生を見つけたい
「これが自分の人生だ」と思える使命や居場所を探したい。
家族との時間も守りたい
会社の責任を果たしながら、自分の大切な暮らしも守りたい。
誰も間違っていない。
三人の「大切にしたいもの」が、少しずつ違っている。
BEFORE STRATEGY
表面だけ見れば「経営問題」です
売上が落ちているなら、新規事業、営業強化、商品開発、DX、AI、外部人材。経営の打ち手はいくつもあります。
しかし、その前にやるべきことがあります。
目的地が決まっていないのにアクセルだけを踏んでも、車は正しい場所へは進みません。
THREE INVISIBLE ROOTS
私が知りたくなったのは、
三人の「根っ子」でした
ここを聞かずに「もっと売上を伸ばせ」と言っても、本人の心は動きません。
A DIFFERENT QUESTION
「家庭を大切にしたい」は、
経営者失格なのか
昔の私なら「経営者なら会社が第一だ」と考えたかもしれません。しかし今は、問いを変える必要があると思います。
売上や人数をただ元へ戻すのではなく、4代目だからこそできる第二創業があるかもしれません。
THE REAL SECOND FOUNDING
第二創業とは、
「昔の会社に戻すこと」ではない
80年前の創業者は、当時の社会とお客さまを見て、これから必要になるものを考えたはずです。
ならば4代目も、先代と同じことを繰り返すのではなく、今の時代を見て会社をもう一度つくり直していい。
先代から受け継いだ「根っ子」から、次の世代が新しい木を育てること。
KEEP, RELEASE, CREATE
何を残し、何を手放し、
何を新しく創るのか
お客さまからの信用
守り続けた品質
社員・地域との関係
働き方・組織
事業規模
成長の方法
根っ子を守ることと、
枝を同じ形にすることは違います。
古い枝を落としてもいい。新しい芽を出してもいい。咲く花が変わってもいい。それでも根っ子が生きていれば、その会社らしさは次へつながります。
ROOT SUCCESSION
会社の承継の前に、
「根っ子の承継」がある
株式、代表印、経営権を渡しても、本当の承継はそこからなのかもしれません。
これらは決算書にも株価評価にも載りません。しかし、こうした見えないものこそ、ファミリービジネスの未来を左右します。
WHAT IS NEEDED NOW
必要なのは、誰かを変えることではない
長男を会社へ戻すことでも、若い社長に「もっと野心を持て」と迫ることでも、会長へ「もう引退してください」と言うことでもありません。
会社の根っ子
使命、信用、技術、判断基準、家族や地域との関係。
古い成功への執着
先代と同じ規模、同じ方法、同じ人生を求めること。
4代目の未来
本人が自分の意思で育てたい、新しい会社の姿。
三人それぞれが何を守り、何を恐れ、本当は何を望んでいるのかを見えるようにする。その上で、80年の会社の根っ子と三人の人生の根っ子を重ねる。そこから、この会社にしかできない第二創業が見えてくるのではないでしょうか。
あなたの会社にも、似た問題はありませんか
後継者はいる。
それでも、承継が終わっていない。
詳しい事情を書かなくても大丈夫です。正解を押しつけたり、誰が悪いかを決めたりするためではありません。
「承継」
この一言だけでも、お聞かせください。まず、話を聞かせてください。
「承継」と一言送る →80年続いた会社を、80年前と同じ形のまま残すのではなく、100年、120年と生き続ける会社へ。
次の世代が、自分の意思で新しい木を育てられる土壌を、一緒につくる。
そのためには、会社を無理に大きくするより先に、会社と家族の「根っ子」を見つけ直すことが必要なのかもしれません。
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