ROOTS LETTER FOR SME OWNERS
ROOTS OF GRATITUDE · 正負の法則
負だけの人生で
終わらせない。
「なぜ自分だけが」が、
「だからこそ自分が」に変わった日。
人生で最も辛かった出来事に、もし「正の面」があるとしたら――。私は長い間、そんなふうには考えられませんでした。
今でも思い出すと、胸が痛くなる出来事。
できれば忘れてしまいたい出来事。
「なぜ、あんなことが起きたのか」と、今も納得できない出来事。
「なぜ、自分だけがこんな目に遭うのか」
私にも、忘れられない出来事があります。
50年間の経営の中で、数え切れないほどの失敗をしてきました。大切な社員が去りました。信頼していた人との関係が壊れました。家族が危機に陥りました。何度も、経営の崖っぷちに立ちました。
「なぜ、自分だけがこんな目に遭うのか。」
そのたびに、心の中でそう叫んでいました。
正の面が見えないのは、まだ探し切れていないから
最近、ドクター・ジョン・F・ディマティーニの考え方に触れ、深く共鳴しました。
ディマティーニ博士は、私たちが「悪い出来事」と見ているものにも、見つけられていない利点や恩恵があり、両面を問い直すことで、出来事への見方と感情が変わると説いています。
私はこの考えを、「正負の法則」として受け止めました。
最初に知ったとき、正直に言えば、「そんなはずはない」と思いました。あの出来事に正の面などあるはずがない。あの苦しみに意味などあるはずがない。
しかし私は、人生で最も辛かった出来事の中に、自分がまだ見つけていない「正の面」がないか、探してみることにしました。
この考え方は、出来事への偏った認識を、利点と欠点の両面から問い直すDemartini Methodに着想を得ています。
50年間、私を苦しめた「癇癪玉」
私には、癇癪玉がありました。気に入らないことがあると、すぐに爆発する。社員が萎縮しました。家族が傷つきました。大切な人が離れていきました。
50年間、この癇癪玉に、周囲だけでなく私自身も苦しんできました。
癇癪玉の負の面
- 社員を萎縮させた
- 家族を傷つけた
- 大切な人が離れた
- 自分自身も苦しんだ
癇癪玉の正の面
- 品質への妥協を許さなかった
- 「0.1gの再現性」を生んだ
- 誰よりも高い基準を持ち続けた
- 製麺機を世界80カ国以上へ届けた
- 50年間の問いが根っ子学®を生んだ
「あの癇癪玉がなければ、
今日の自分はいない。」
正の面が見えた瞬間、癇癪玉への怒りが少し静かになりました。そう思えたとき、初めて感謝が生まれたのです。
苦しみを、無理に肯定するのではありません
起きたことを「正しかった」とする考えではありません。
傷ついた自分に我慢を強いることでも、誰かの責任をなかったことにすることでもありません。苦しみの中にいるときは、正の面など見えなくて当然です。無理に感謝する必要もありません。
ただ、時間がたち、少し心に余白が生まれたとき、こう問い直すことはできます。
「この出来事によって、
私の中に何が生まれただろう。」
この問いは、過去を美化するためのものではありません。過去に人生を支配され続けないための問いです。
「なぜ自分だけが」から、「だからこそ自分が」へ
あなたの人生で、最も辛かった出来事を思い出してみてください。
THREE QUESTIONS
おそらく、その答えの一部は、最も辛かった出来事の中にあります。最も苦しかった時期が、今のあなたをつくっています。
正の面が見えてくると、問いが変わり始めます。
「なぜ自分だけが」から
「だからこそ自分が」へ。
これは、諦めではありません。敗北でもありません。人生の深さに気づくことです。
最後に「ありがたい人生だった」と言えるか
苦しみだけを抱えて人生を終えるのか。苦しみの中から意味を見つけ、感謝とともに人生を終えるのか。
経験した苦労の量は、同じかもしれません。しかし、その苦労を「負だけ」で終わらせるかどうかで、人生の終わり方は変わります。
「ありがたい人生だった。」
あなたの人生の苦しみには、まだ見えていない意味があるかもしれません。すぐに見つからなくても大丈夫です。焦らなくても大丈夫です。
ただ、負だけで終わらせない。
負の中に隠れている正の面を、最後まで探してみる。それが、根っ子学®×正負の法則が果たす使命です。
78歳、初めての学会発表へ。
来月、私は根っ子学®を初めて学術の場で発表します。50年間の経営、家族との葛藤、自分自身の癇癪玉、そして数え切れない失敗。そのすべてが根っ子となり、根っ子学®を生みました。今度は、それを次の世代へ渡していきます。
読者の皆さまへ
あなたの人生で、
「負だけで終わらせたくない出来事」は何ですか。
その出来事によって生まれた強さ、出会い、使命はありませんでしたか。正解はありません。短い一言でも大丈夫です。私は一つひとつ、真剣に読ませていただきます。
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