円安、人口減少、事業承継、地方衰退、将来への不安。目の前の現象を一つずつ直すだけでは、日本は本当の意味では強くなりません。いま必要なのは、社会を内側から動かしている「見えない根っ子」を整えることです。
「安い日本」から「高くても選ばれる日本」へ
円安になると輸出企業には追い風という見方があります。しかし、日本が「安いから売れる国」になってしまうと、本当の意味では強くありません。
必要なのは、日本独自の技術、品質、食、文化、医療、ものづくり、サービスを、価格競争ではなく価値競争に変えることです。
これは、私が製麺機で長年やってきたことと非常によく似ています。「職人にしか作れなかった麺」を、機械と数値によって再現できるようにした。同じことを、日本の産業全体で行うのです。
高齢者を「社会を支える人」に変える
日本には、60代、70代、80代になっても、経験、技術、人脈、知恵を持つ人が大量にいます。ところが現在の制度では、高齢者を労働力や起業家として十分に活かし切れていません。
人生100年時代なら、65歳で「終了」ではありません。
- 70歳から小さな事業を始める
- 地域の製麺所を運営する
- 若者の相談役になる
- 外国人に日本文化を教える
- 小規模農業や食ビジネスを始める
こうした「第二創業人口」を増やす政策を、日本国家の戦略にするべきです。支えられる側だった人が、少しでも稼ぎ、税を払い、地域経済を回す側に回れば、日本経済の構造そのものが変わります。
ファミリービジネスの事業承継を国家戦略に
日本には、世界でも珍しいほど長寿企業が多くあります。しかし現在、多くの中小企業が後継者不足で消えています。これは単なる経営問題ではありません。技術、人脈、顧客、信用、地域文化まで一緒に消えていく問題です。
「会社を渡す」だけでは不十分です。重要なのは、経営者の心、家族関係、後継者との葛藤まで含めた承継です。
決算書には載らない「見えない資産」
企業の根っ子を見える化して次世代へ渡す。これができれば、日本の中小企業承継そのものを一つの巨大産業にできる可能性があります。
地方を小型イノベーションの実験場に
東京に人、資本、情報を集め続けるモデルには限界があります。地方には空き家、遊休施設、高齢者、農地、地域文化、食文化があります。一見「負債」に見えるものを組み合わせれば、新しい資産になります。
この組み合わせを一つの小さな経済圏としてつくり、成功したモデルを全国へ横展開する。大企業の巨大プロジェクトだけがイノベーションではありません。
10人、20人単位で成立する小さな成功モデルを、日本中で1万個つくる。これも立派なゲームチェンジです。
日本人自身の「心の根っ子」を強くする
そして5つ目が最も重要です。経済政策だけでは、日本は本当には強くならないと私は思います。
人口減少、不安、分断、孤独、承継問題、将来への悲観。その背景には、数字では測りにくい「心の問題」があります。
根っ子学®の7つの基本根っ子
特に「平常心」は非常に重要です。円が動いた。株価が下がった。景気が悪くなった。AIで仕事が変わった。そのたびに右往左往する国ではなく、状況が変わっても、自分たちは何を大切にする国なのかという中心軸を持つ。
私は、これこそ国家の根っ子だと思います。
THE FIVE SHIFTS
日本のゲームチェンジを、
一言でまとめると。
- 01
「安い日本」から「高くても選ばれる日本」へ
- 02
支えられる人から、再び社会を支える人へ
- 03
会社だけでなく、「企業の根っ子」まで次世代へ
- 04
地方を、小型イノベーションの実験場へ
- 05
日本人自身の「心の根っ子」を強くする
ONE LIFE THEME
二つの仕事は、一本の人生テーマだった。
製麺機では、職人の見えない技術をデジタル化した。これから根っ子学®では、人間の見えない心・家族・承継の構造を見える化する。
「見えない価値を見える化し、再現可能にする」この一本の軸があるからこそ、「日本をどうゲームチェンジするか」という大きな話も、単なる評論で終わらせず、高齢者・事業承継・地方再生・根っ子学®をつないだ具体的な社会モデルまで落とし込める可能性があります。
「日本再生・根っ子国家構想2035」へ。
次の段階は、この提言を10年構想へ進化させることです。経済、教育、高齢者、事業承継、地方再生の5分野について、「実際に何を始めるか」まで設計します。
読者の皆さまへ
日本は、どの軸から変わるべきだと思いますか。
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