ROOTS LETTER FOR SME OWNERS
幼児教育と根っ子学® / EARLY CHILDHOOD & NEKKOLOGY
子どもの根っ子は、
「教えること」より
「面白い」から育つ。
幼児教育の前に、
親と保育士の根っ子を整える。
今日、ある保育所を運営している方と話しました。幼児教育に力を入れているのに、なぜ思うように子どもが育たないのか。その悩みを聞きながら、私は自分の幼少期を思い出しました。
「親は幼児教育に大きく期待している。
でも、思うように子どもが育たない。」
幼稚園に行けなかった私
私は結核で、幼稚園に行けませんでした。小学校の低学年では、クラスで最も出来が悪い生徒でした。今でいえば、「問題のある子」「遅れている子」と見られていたかもしれません。
しかし、両親はおおらかで、ほとんど心配していませんでした。学校から帰ると、お袋の口癖はこうでした。
「今日は誰と喧嘩した?」
小学3年生のとき、お袋の計らいで、そろばんと出会いました。これが私の人生を変えました。小学校高学年では模型飛行機を作り始めました。これが私の将来を決めました。
幼稚園へ行けない
決められた教育から離れ、自分の感性で世界を見る時間になりました。
そろばんとの出会い
「自分にもできる」という確信の根っ子が生まれました。
模型飛行機に夢中
機械への興味が育ち、後の製麺機開発へつながりました。
誰かに「これをやりなさい」と強制されたのではありません。自分が「面白い」と感じたものが、私の根っ子を育てたのです。
根っ子とは、心を内側から動かす構造
根っ子とは、自分と両親、祖父母、ご先祖さま、そして人生で関わった人たちと一緒につくり上げてきた、目に見えない心の財産です。
判断・行動・人間関係を、内側から動かすもの。
木が根っ子から水と栄養を吸い上げて育つように、人も心の根っ子から、判断、行動、人との関わり方を育てていきます。
根っ子が整っている人は、困難な状況でも自分の中心へ戻りやすくなります。根っ子が整っている会社は、本来の力を発揮しやすくなります。そして、自分の根っ子を見つめられる保育士は、子どもの心を急いで変えようとせず、育つ力を信じて待つことができます。
光根っ子と影根っ子
光根っ子
信念・確信・愛・感謝・祈り・使命・平常心。
人が本来持っている生命力を支える根っ子です。
影根っ子
不安・恐れ・怒り・支配・自己否定。
傷つかないように自分を守るため、人生の中で生まれた防衛反応です。
影根っ子は、悪い根っ子ではありません。
かつて自分を守るために必要だった反応です。親や保育士の不安や焦りは、言葉、表情、関わり方を通して子どもの安心感へ影響することがあります。しかし、誰かを責めるための考えではありません。大人自身が自分の反応に気づき、整え直すための視点です。
根っ子は「教えられて」育つのではない
HOW ROOTS GROW
子どもの内側から動きたい力が生まれ、根っ子の種が植わります。
やり直す力、工夫する力、助けを求める力が育ちます。
誰かに決められた正解ではなく、自分の感覚を信じる確信が育ちます。
私の場合、その種がそろばんと模型飛行機でした。やがて製麺機の開発、世界各国への事業展開、50年間の経営へとつながりました。
「出来なかったこと」の正の面を探す
負に見える出来事にも、まだ見えていない正の面があるかもしれない。
ドクター・ジョン・F・ディマティーニは、出来事の利点と欠点の両面を問い直すディマティーニ・メソッドを紹介しています。私はこの考えを「正負の法則」として受け止めています。
負に見えたこと
周囲と同じ教育を受けられず、遅れた子どもに見えました。
後から見えた正
自由な幼少期、自分の感性で世界を見る時間、本物の興味との出会いが生まれました。
負に見えたこと
学校の基準では、出来の悪い子どもと見られました。
後から見えた正
「勉強ができる子」の枠に収まらず、そろばんで「自分にもできる」という確信が生まれました。
幼稚園に行けなかったことが、根っ子を育てる時間だった。出来が悪かったことが、根っ子を育てる土壌だった。今の私には、そう見えるのです。
親の不安が、教育を急がせる
早く読めるように。
早く書けるように。
英語が話せるように。
他の子に遅れてはいけない。
子どもの未来を願うからこそ、親は不安になります。その愛情が、いつの間にか焦りや比較へ変わることがあります。
根っ子学®では、子どもを変える前に、大人が自分の根っ子を見つめます。親の不安が和らぐと、子どもを待つ余白が生まれます。親の使命が明確になると、子どもは安心して自分の道を探しやすくなります。親が平常心へ戻れると、家庭に安心できる土壌ができます。
子どもの前に、土壌を整える
親の根っ子
比較や焦りに気づき、子どもの育つ力を信じて待つ。
保育士の根っ子
使命と平常心を整え、子どもが安心して失敗できる場をつくる。
子どもの根っ子
「面白い」を起点に、選ぶ・試す・失敗する体験を重ねる。
毎日子どもと接する保育士の心の状態は、言葉だけでなく、表情、声の温度、待つ時間にも現れます。
根っ子が整った保育士は、子どもの「面白い」を見つけるのが上手です。使命が明確な保育士は、一人ひとりの根っ子の種を大切にできます。平常心を持った保育士は、子どもが安心して失敗できる場をつくれます。
保育士の根っ子診断は、人事評価ではありません。
本人の同意を前提に、自分の強み、疲れ、不安、使命を見つめ、チームで対話するためのものです。診断結果で人を選別するのではなく、保育士自身が安心して働ける土壌を整えることが目的です。
一つの本物の体験が、百の教育より強い
私のそろばんが、そうでした。
模型飛行機が、そうでした。
あなたの子ども時代を思い出してください。学校の勉強ではなく、「あれが面白かった」という体験が、一つや二つあるはずです。
その体験の中に、あなたの根っ子の種があります。今のあなたの強みは、その種から育ったものかもしれません。
苦労のない人生が幸せなのではありません。遠回りのない成長が、本当の成長でもありません。
幼稚園に行けなかった私が、
製麺機を世界各国へ届けた。
これが、根っ子の力です。
読者の皆さまへ
子どもの頃、時間を忘れるほど
夢中になったものは何ですか。
その「面白かった」という体験は、今の仕事、強み、生き方にどうつながっていますか。正解はありません。短い一言でも大丈夫です。私は一つひとつ、真剣に読ませていただきます。
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