家族のために働いたら、 家族との時間がなくなった(笑)
| 経営者の皆さまへ | ロッキー藤井 | 根っ子学®創始者 |
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私は若い頃、本当によく働きました。 というより、 働くことしか知らなかった。
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27歳で川崎重工を辞めて独立したとき、長男はまだ生後4か月。 退職金は、たった9万円でした。
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あるのは、妻と小さな子ども。 そして、 「何としてでも家族を食べさせなければならない」 という思いだけでした。
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独立して3か月、仕事は一本も来ませんでした。 退職金の9万円は、どんどん減っていく。
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ある朝、妻が言いにくそうに、 「お米が……」 と言いました。
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あのときの気持ちは、今でも忘れません。 4か月の息子の顔を思い浮かべながら、 「俺は何をしているんだ」 と、公園のベンチで泣きました。
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それでも妻は、私を責めませんでした。 家に帰ると、いつも、 「大丈夫よ」 それだけでした。 |
だから私は思いました。 もっと働かなければ。 家族を守らなければ。 妻に苦労をかけてはいけない。 子どもたちには、いい人生を送らせたい。
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ところが――。 会社が成長すると、私の働き方はもっとひどくなりました。
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36歳頃には、毎週月曜日に飛行機で東京へ行き、金曜日まで都内を走り回る。 週末に香川へ戻ると、今度は製麺工場で仕事。 睡眠は1日4〜5時間。 ほぼ年中無休。
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今なら、 「働き方改革の反対側を、一人で全力疾走していた」 ようなものです(笑)。
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でも当時の私は、まったく疑問に思いませんでした。 むしろ、 「これだけ家族のために頑張っている俺は、立派な父親だ」 くらいに思っていたかもしれません。
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ところが、 家族のために働きすぎて、 家族と一緒にいる時間がなくなったのです(笑)。 |
お金を稼ぐ。 会社を大きくする。 子どもたちに良い教育を受けさせる。 私はそれが「家族を愛すること」だと思っていました。
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でも、ここで一つ大事な問いが残ります。 それは、本当に家族が望んでいたことだったのでしょうか。
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私は、家族に聞いたことがありませんでした。 自分で決めて、 自分で頑張って、 自分で犠牲になって、 そして、 「全部、家族のためだ」 と思っていたのです。
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77歳を過ぎて根っ子学を作り、自分自身を深く見つめるようになって、ようやく気づきました。
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・「自分が頑張らなければならない」 ・「自分が我慢すればいい」 ・「家族のためなら、自分を犠牲にして当然だ」 |
一見すると、とても立派です。 ところが、この根っ子が強くなりすぎると、自分だけでなく、周囲まで巻き込んでしまいます。
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自分が休まないから、周りも休みにくい。 自分が仕事第一だから、家族もそれに合わせる。 そして本人だけは、 「みんなのために頑張っている」 と思っている(笑)。
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| 第5幕 愛していなかったのではない。愛し方を間違えていた。 |
根っ子というものは、本当に厄介です。 悪意があるものより、 善意から生まれた影根っ子の方が、本人には見えにくい。
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私の場合もそうでした。 家族を愛していなかったのではありません。 むしろ逆です。 愛していたから、一生懸命働いた。
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今なら分かります。 家族のために働くことも大切。 しかし、 家族と一緒に笑うこと。 話を聞くこと。 何もしないで一緒に過ごすこと。 それも同じくらい大切だった。
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会社の売上は後から取り戻せることがあります。 しかし、子どもが5歳だった一年は、二度と戻ってきません。 |
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これは、51年間経営してきた私が、今になって強く感じていることです。
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だから今日、経営者の皆さんに一つだけ問いかけたいと思います。
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あなたが「家族のため」と思って一生懸命やっていることは、本当に家族が望んでいることでしょうか。
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一度だけでも、 「私は家族のために何をしているか」ではなく、 「家族は、私に何を望んでいるのか」 と考えてみてください。答えが少し違って見えてくるかもしれません。 |
私の場合、気づくまでにずいぶん時間がかかりました。 会社の機械には取扱説明書を付けていたのに、父親としての私には、取扱説明書がありませんでした(笑)。 これも、私の大きな失敗です。
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でも、気づいたところから、根っ子は変えられます。 そして根っ子が変われば、家族との関係も変わり始めます。
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【読者の皆さんへ】 もし今、 「家族のために頑張っているのに、なぜか家族との距離が広がっている」 「子どものためと思っているのに、なぜか子どもとぶつかる」
そんなことで本当に困っている方がいれば、このメールに、 「根っ子を見てほしい」 と一言だけ返信してください。 本当に困っている方だけ、根っ子を見させていただきます。 |
| 何度倒れても、また立ち上がる。 ロッキー藤井でした。 |
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発行人 ロッキー藤井(藤井 薫)
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「会社の機械には取扱説明書を付けていたのに、父親としての私には取扱説明書がありませんでした(笑)。」
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株式会社大和製作所 創業者・根っ子学®創始者。約50年間の経営、家族、失敗、事業承継の経験から、人や会社を内側から動かす「見えない根っ子」を言葉と構造で見えるようにし、自然な成長につなげる研究と実践に取り組んでいます。
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