パートさんだけで回る 「夢の店」の裏で、 社長が深夜まで皿洗いを していた話
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前回から始めた「ロッキー藤井の失敗劇場」。ここでは、私の成功談ではなく、「今だから笑える、私の失敗」を包み隠さずお話ししています。
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今回も、坂出駅に出したうどん店「亀城庵」での失敗です。
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これが実現できれば、新しくうどん店を始める人たちにとっても、「これなら自分にもできる!」というモデルになる。私は本気でそう考えていました。
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「これは、うまくいく」 かなり自信がありました。
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私は製麺機メーカーの社長です。麺のことなら分かっている。繁盛店もたくさん見てきた。商品づくりにも自信がある。
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店は大繁盛。私は心の中で、「ほら、やっぱり私の考えた通りだ」くらいに思っていました。すっかり有頂天です(笑)。
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「お疲れさまでした!」の後に、 本当の仕事が始まった。
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夕方になると、パートスタッフの皆さんが帰っていきます。その後、店内に一人残っている男がいました。
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そこからが大変でした。大量の洗い物。厨房の片付け。翌日の準備。終わるのは、夜中の2時、3時。
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少し寝たら、また早朝から仕込みです。睡眠時間は、毎日3時間程度。それが1週間ほど続いた頃には、「俺は一体、何でこんなことを始めてしまったんだ……」と、本気で思っていました(笑)。
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夢の店をつくったはずが、 最後に全部引き受けていたのは社長でした。
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昼はうどん屋、夜は皿洗い。 それでも私は社長でした。
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当時の私は、亀城庵だけを経営していたわけではありません。大和製作所と讃匠、二つの会社の社長でもありました。
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しかし、亀城庵から離れられない。そこで私は、うどん店の厨房から、二つの会社へ指示を出していました。
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来客との商談まで、亀城庵の店内です。昼間はうどん店。夜中は後片付け。その合間に二つの会社の社長。
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しかも、数日や数週間の話ではありません。最初の1年間、私はほとんど店から離れることができませんでした。
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成功体験が、 私の目を曇らせていた。
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私は製麺機メーカーとして、たくさんの麺店を見てきました。製造業の経営もしてきました。
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仕組みをつくる。標準化する。良い商品をつくる。誰がやっても一定の品質が出るようにする。私は、それで成功してきました。
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この確信は、もともと悪いものではありません。私を支えてくれた、大切な根っ子でもあります。
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ところが、同じ根っ子でも、環境が変われば、同じ使い方で良い結果が出るとは限りません。
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成功体験も、ときには 人間の目を曇らせる。
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製造業で私を助けてくれた成功体験と確信を、そのまま飲食店経営に持ち込んでしまった。そこに、私の落とし穴がありました。
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飲食店では、お客様は予定通りに来てくれない。スタッフの動きも毎日違う。採用も、教育も、接客もある。
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「前はこれで成功した」「自分はこの方法を知っている」「これでうまくいくはずだ」。本人にとって、それは思い込みではありません。一度、成功によって証明された「正しい答え」だからです。
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頭ではなく、身体で知った 「飲食店経営」という現実。
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実際に自分で店に入り、1年間苦労したことで、飲食店経営とはどういうものかを、頭ではなく身体で知りました。これは、机の上では絶対に分からなかったことです。
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その経験は、後の麺学校での経営講義に大いに役立ちました。
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自分が夜中の2時、3時まで 皿を洗った経験から話せる。
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あの時は「何でこんなことを始めてしまったんだ」と思っていました。でも今では、あの失敗がなければ、絶対に分からなかったことがあると思っています。
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失敗は消せない。 でも、使い道は変えられる。
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なぜ倒れたのか。その時、自分の中で何が働いていたのか。そこから何を学び、次にどう使うのか。
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倒れたこと自体は変えられない。 でも、次の使い道は選べる。
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だから、失敗は後から「宝物」に変えることができる。私はそう思っています。
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「昔うまくいったから」を、 一度だけ問い直す。
商品でも、価格でも、採用でも、部下との接し方でも、家族との関わり方でも構いません。
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- 「昔うまくいったから」と続けていることは何でしょうか。
- 今の環境でも、本当にこのやり方が一番いいでしょうか。
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過去の成功を否定する必要はありません。その成功があったから、今があります。
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でも、根っ子を大切にすることと、昔と同じ枝を伸ばし続けることは違います。環境が変われば、枝の伸ばし方は変えていいのです。
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あなたの「成功体験の落とし穴」も、 聞かせてください。
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「昔うまくいったから」という理由だけで、今も続けていることはありませんか?
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私の場合、それを教えてくれたのは、 深夜2時、3時までの皿洗いでした(笑)。
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思い当たった方は、このメールに「成功体験」と一言返信してください。詳しい事情を最初から書く必要はありません。秘密は守ります。
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何度倒れても、また立ち上がる。 それが、ロッキー藤井です。
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